マタニティ・ハイキングA〜注意点〜
妊娠前とはどこか違う体調。次第に大きくなっていくお腹。山は行きたいけれどもし何かあったら取り返しがつかない……。と不安に駆られながらも歩いた山で感じたことをまとめてみました。参考にしていただければ幸いです。
@コース状況 一見安全そうな樹林に覆われている山でも木の根が張り出していたり(滑りやすい)やぶが生い茂っている(足元が見えにくい)山は×。むしろ露岩帯の方が安全(しかし石灰岩は濡れていると滑りやすい)。が、あまり急な岩場は、避けた方が無難です。手を積極的に使っていけばよいと思われるかもしれませんが、腹が邪魔になって足を挙げにくいし、前かがみになりにくくなります。しかも腹が大きくなるにしたがって姿勢がそり気味になりますので、バランスが悪くなります。妊娠前と同じようにはいきません(まあ、もともと持っている技術にもよるのでいちがいには言えませんが)。あと、火山は足元で砂礫がざわざわ動いて、下るときに結構怖い思いをします。 A標高 妊婦(特に6ヶ月以降)は胎児分だけ酸素の必要量が増えるとのこと。1500m以下が無難。2200m以上になると酸素もかなり薄くなり、胎児に影響がないとは言えないそうです(『山と渓谷』99年10月号)。 B歩行時間 最近の産婦人科では妊娠初期から毎日3時間程度の散歩をすすめるところもあるようです(朝日新聞、2000年10月元気面)。普段それほど運動していない人でもそうなのですから、もう少し長くてもいいのかもしれません。 C歩くペース 非妊時より心拍数が少なくなるように歩いた方が無難。平静にしていても心拍数が多いのが妊婦なので、かなりゆっくりしたペースになると思います。前記の歩行時間、歩行距離と合わせ、計画段階でどの程度歩けるか確認しておくことが必要でしょう。 D休憩時間 ものの本によれば(J.クラップ著『妊娠中の運動ハンドブック』大修館書店)、妊婦は1時間運動したら1時間休憩したほうがよいとのこと。けれど登山ではそんなに長い休憩は取りません。でも、普段よりは長めに。 Eトラブルへの対応策として テニスや水泳と比べて山を歩くこと自体がそれほど妊婦の負担になるとは思いませんが、おとなしく日常生活を送っていても何が起こるかわからないのが(特に初産婦)妊娠期間です。何かあっても街中ならすぐに医療機関に飛び込めますが、山中ではそういうわけにはいきません。これが不安のもとです。本人も心配だけど周りの人(特に妊娠したことのない人)はきっともっと心配です。私も夫には悲しげに「子ども生みたくないの?」と言われました。でもねえ、こればっかりはねえ。ロープウェイやドライブルートが山頂付近まで来ているなど、トラブルに対応しやすい山を選ぶのも一つのポイントでしょう。
車で行くなら特に心配することもないのですが、問題は公共交通機関を利用する場合。街中を歩く格好ならともかく、山ルックではただのおデブさんに見えるらしく、誰も席を譲ってくれません。あらかじめ座席を指定しておくか、あるいは快速や急行などではなく、普通に乗るとか。
@靴 道具によって助けられることもありますので、通常よりしっかりしたものを選んだほうが安心です。また、底が磨り減っていると転倒の原因にもなるので張りかえられるタイプのものだったら、替えてしまうことをすすめます。新品を購入してもいいけれど履き慣らさないといけないから面倒かも。妊娠中に登山する人は出産後にしないわけがないのですから忙しくなる前にぜひ! A腹帯 季節にもよるでしょうが腹を冷やさないように。それからしっかりサポートしておくことで衝撃を和らげる効果もあるようです。(私はしませんでしたが) Bストック 両手に持つことでバランスを崩したり転倒を防ぐ効果があります。が、ふだん使用していない人が突然、使おうと試みてもどういうタイミングでついたらよいのかわからず、邪魔になるだけです(私がそうでした)。ようは、慣れないものは持っていかないか、あるいは平地で練習してから使いましょう。
短い日帰りコースだからといってもそこは妊婦。疲れやすいですよね。前日はのんびり、早めの就寝を心がけ、当日に疲れを持ちこまないように。
体温の上昇と血糖値の低下は胎児に悪影響があるとのこと(J.クラップ著『妊娠中の運動ハンドブック』大修館書店)。水分と食料(炭水化物)はまめに補給することが大切なようです。
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